EPA候補者の学習教材ガイド(1)
配属1年目のEPA候補者の学習教材
EPA介護福祉士候補者(以下、EPA介護候補者)は、約3年間の研修(実務経験)を経て「介護福祉士国家試験」に臨みます。その約3年間は、国家試験の受験準備をします。
配属1年目は、専門的な学習に向けて基礎を築く期間として、専門語彙や読解力を習得することが重要です。学習と研修(実務経験)を通して、介護の基本的な知識を身に付ける期間にもなります。
EPA介護候補者には、国際厚生事業団(JICWELS)から教材が支給されます。配属1年目は、語彙に関する教材と、専門性の高い学習への移行に向けた必須知識を導入するための教材が用意されています。本記事では、これらの教材の概要をお話しします。
語彙に関する教材
JICWELSから配布される教材
『介護の言葉と漢字 ハンドブック』
介護の言葉と漢字ハンドブック(日英版)第8版第2刷 | JICWELS書籍取扱
このハンドブックは、以下の9つの介護場面のテーマで構成されています。
- 施設の人
- 施設
- 施設内の物・介護用品
- 献立表
- 体
- 体の症状
- 介護士の一日
- 介護日誌
- 書類
各章の最初のページでは、テーマ全体がイラストなどで表されていて、その章で扱う内容をイメージしてから漢字と語彙の学習に入ることができます。429の漢字と、その漢字を使った語彙2200語が紹介されています。介護現場で働くために必要な語彙がそれほど多いということです。
『介護の言葉と漢字 ワークブック』
介護の言葉と漢字ワークブック 第4版第8刷 | JICWELS書籍取扱
こちらのワークブックには、『介護の言葉と漢字 ハンドブック』の学習内容に沿った漢字練習、確認問題、応用問題、総合問題が掲載されています。また、聴解問題もついていて、ディクテーションもできます。
『介護の言葉と漢字 ワークブック 言葉の使い方ドリル』
介護の言葉と漢字ワークブック 言葉の使い方ドリル 第2版第7刷 | JICWELS書籍取扱
こちらのドリルは、言葉の使い方に焦点を当てた内容になっています。言葉の意味や使われ方などを練習問題で確認できます。
学習者って、とても大変ですよね。
では、そのたくさんの語彙を理解して、覚えて、そして使えるようになるには、どうしたらいいのでしょうか?色々な方法がありますが、次のような教材を一緒に使ってもいいですね。
同時期に参考になる教材
『はじめて学ぶ介護の日本語 基本のことば』
はじめて学ぶ介護の日本語 基本のことば | スリーエーネットワーク
こちらのテキストは、介護の基本語彙として1500語が入っていて、英語・中国語・ベトナム語・インドネシア語の翻訳がついています。そして、学習の場や現場ですぐに役立つように、言葉の特徴や介護現場で使える例文もついています。
『5か国語でわかる介護用語集』
5か国語でわかる介護用語集 - ミネルヴァ書房 ―人文・法経・教育・心理・福祉などを刊行する出版社
こちらの用語集は、介護現場での基本用語約1500語を精選し、英語・中国語・ベトナム語・インドネシア語で翻訳されています。また、用語についてわかりやすい解説がついていて、指導者にも役立つ一冊となっています。
専門知識の教材
JICWELSから配布される教材
『始めよう!外国人のための介護福祉士国家試験対策』
始めよう!外国人のための介護福祉士国家試験対策 (第10版) | JICWELS書籍取扱
外国人であるEPA候補者にとっては難しい日本の社会制度を、豊富なイラストを用い、ストーリー化してイメージしやすいような形で提示しています。介護の専門家でない人がこのテキストを使って教える場合でもやさしくわかりやすい説明で助かります。
『介護の言葉と漢字 国家別試験対策 段階別事例問題 読解』
介護の言葉と漢字 国家試験対策段階別事例問題読解(令和3年入国候補者向け) 第8版第1刷 | JICWELS書籍取扱
この問題集は、介護福祉士国家試験の「事例問題」をもとに、日本語レベル(初級・中級・上級)別に書き直してあります。レベルにあわせて、専門的な読解練習ができます。
同時期に参考になる教材
はじめて学ぶ介護の日本語 基本の知識
はじめて学ぶ介護の日本語 基本の知識 | スリーエーネットワーク
こちらのテキストは、介護の基本的な知識について、その背景や意義、業務の中での役割がわかるようなっています。将来、国家試験に向けて学習をする際の土台作りにもなります。
今後の記事では、こうした教材を使って具体的にどのように学習を進めたらいいのか、その一例をご紹介します。ぜひ読んでください。