オノマトペを学ぼう(2)

介護の現場での会話とオノマトペ

介護の現場では、どのような場面でオノマトペが使われているでしょうか。

会話にすると、より身近に感じられると思います。イラストで示したり、ジェスチャーをつけると、より理解しやすくなるでしょう。

会話1
サリ:鈴木さん、どうなさいましたか。
鈴木:体がぞくぞくするんです。
サリ:じゃあ、熱をはかってみましょうか。
鈴木:それに…頭もがんがんするんです。
サリ:大丈夫ですか。風邪かもしれませんね。

会話2
リン:山田さん、お食事はもう終わりましたか。あまり召し上がっていませんね。
山田:胃の調子が悪くて、むかむかするんだよ。
リン:そうですか。大丈夫ですか。

会話3
ジェニー:川野さん、どうなさいましたか。
川野:お腹が痛いんだよ。
ジェニー:どんなふうに痛みますか。きりきりする?ちくちく?しくしく?
川野:ごろごろするんだよ。
ジェニー:ああ、お腹をこわしたかもしれませんね。トイレに行ってみましょうか。

*いずれも出典は、加藤真実子・奥村恵子・生出亜希『介護のにほんご1年生 現場でさいしょに使うことば・表現』アスク(2019)より。

オノマトペの分類

体の症状を表すときによく使われるオノマトペ

頭が痛いとき

  • ズキズキする
  • ガンガンする
  • ズキンズキンする

胃や腸に異常があるとき

  • キリキリする
  • シクシクする
  • チクチクする
  • ムカムカする
  • ゴロゴロする

心臓に異常があるとき

  • ドキドキする
  • バクバクする
  • ドキンドキンする

その他の症状など

  • ヒリヒリする
  • ビリビリする
  • ジンジンする
  • ゾクゾクする
  • フラフラする

次のように分類することもできます。

炎症に関する表現

  • ズキズキする
  • ズキンズキンする

神経に関する表現

  • ピリピリする
  • ビリビリする
  • チクチクする
  • ジンジンする

このような分類は、看護の知識を持つ日本語学習者にとって、オノマトペを理解する助けになるのではないかと思います。


Sakura

日本語教師。専門は日本語教育学、国際医療マネジメント。留学生、ビジネスマン、外国人介護従事者への日本語教育を行う。元EPA日本語予備教育事業担当。介護の専門日本語のコースデザイン、教材開発などを行い、介護の専門家と連携し、外国人介護従事者の介護福祉士国家資格取得に向けた学習支援をしている。